「過疎地」?それとも「いい感じの人口密度」?

公的オープンデータを使って、移住先 長崎について考える。 データ+移住への物語
リア
リア

おー、今回は久しぶりに、移住した長崎について、データを使って考えるんやな
「データを使って考える」って言うただけで、半分くらいの人は画面を閉じてまうかも知れへんけど、今回は、何を考えるん?

Aizen-Q
Aizen-Q

今回はね、「人口密度」について考えてみたかと
「人口密度」は、以前の投稿でも取り上げたことがあるとけどさ、その時より、もう少し幅を広げて考えたら、Q以外の人にとっても面白かっじゃなかかな?って思うとさね

リア
リア

昔から、Qが面白いって思うことは大抵、他の人が面白いって思うこととは少しちゃうからね
しかし、なんでまた、「人口密度」について書いた以前の投稿は大して読まれへんかったのに、再び「人口密度」やねん?

Aizen-Q
Aizen-Q

そいがさ
今年3月に、神戸で設計事務所を営んでいる建築家のMさんが長崎に仕事で来とらすとけど、
そん時に、仕事の合間に長崎駅から出島まで散策しとらして、その時に感想ばQにLINEで送ってくれたっさね
その感想が、次の通りやったっさ

建築家のMさん
建築家のMさん

「数時間の滞在での印象でしかないのですが、整然というのとは違いますが、丁寧に手を入れている感じがしたのと、人口密度がこちら(←Q注釈:神戸のこと)にくらべて低いのがいい感じでした。たまたまなのかもしれませんが。」

リア
リア

Mさん、LINEでのやり取りは標準語なんやな
会って話すときは完全な神戸弁やから、びっくりしたわ
それにしでも「人口密度が神戸に比べて低いのがいい感じ」っていう感性がエエな
ほいで、この感想を読んで、Qが以前から都市部と地方の違いを考えるときに大事な要素やと思っていた「人口密度」にあらためて、興味が湧いてきたんや

aizen-Q
aizen-Q

そうそう
ばってん、そいだけじゃなかとさ
MさんからのLINEば受け取ったあとに、新聞で藻谷浩介さんの論考ば読んで、それまでの自分にはなかった視野の広さば感じたとさね
関係のあるところだけ、下記に抜粋するけん

可住地(林野や湖沼を除いた土地)あたりの人口密度が、1000人超と世界的にみても高い日本。奥能登4市町(珠洲市、輪島市、能登町、穴水町)でも215人(2023年1月時点、筆者試算)と、オーストリアと同水準で、フランスや中国よりも高い。それだけ水も生産力もあり、多くの人が住める土地なのだ。
そんな場所を国内限定の慣用句で「過疎地」と断じ、その復興に全力を注いでいないとすれば、それは後世指弾されるべき愚行である。最大の震災対策は、異常に高密度の都会から、世界基準では十分高密度な「過疎地」へと、少しでも人と機能を分散させることなのだから。
(4月24日の毎日新聞 朝刊「時代の風」より抜粋)

aizen-Q
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この部分は、3月末に能登地震の被災地を巡った藻谷さんが、発生から3ヵ月経っても、その惨状がそのままに、静かに放置されていることを見て、被災者の生活防衛にこそ対応すべきって主張しとらすところで大事なところなんやけどね
その上で、Qはこの論考ば読んで、能登4市町の可住地1平方キロメートルあたりの人口密度が、オーストリアと同水準で、しかもフランスや中国よりも高いってってことば初めて知ったけんさ、そうなんやーって思ったとやもんね
つまり、日本の自治体の人口密度ば、他国の人口密度と比べて考えるっていう視点を自分が持っていなかったことにハッとさせられたとさね
そしたら、今度は6月に、下記に抜粋する藻谷氏の論考が掲載されたっさね

日本国内における「過疎」と「過密」の概念がいかに特殊かを、前回の寄稿で紹介した可住地(林野や湖沼を除いた土地)1平方キロあたりの人口密度を使って示そう。

 日本のこの数字は1000人超で、都市国家や島しょ国家を除いた国の中では、バングラデシュ、韓国に次いで世界3位だ。4位のインドや、5位で欧州トップのオランダは600人前後で、日本では過疎県の代表とみなされる鳥取県や高知県と同水準である。
過疎地の人口が今後さらに半減したとしても、世界の中では普通以上の密度のままなのである。

 反対にこの数字が1万人に迫る東京都は、世界に冠たる超高密度人口集積地だ。その異常な密度にスポイルされ(甘やかされ)、過疎地からの撤退を考えるのは、実はガラパゴス的な発想だ。世界市場にうまく進出している企業は、過疎地でももうけている。過疎地で行政サービスが成り立たないなら、世界のほとんどで成り立たない。

 3人や4人の子を持つ家庭が普通に存在しない限り、合計特殊出生率は2には近づかないが、東京では家が狭くて難しい。そんな場所に若者を集めれば、日本全体が人口減少になる。筆者が2014年に、「東京ブラックホール」と名付けて警鐘を鳴らした事態だ。それでも東京集中を反省しない企業や諸団体も、いずれ首都圏に襲来する烈震や大規模水害の際には破格の打撃を受ける。

「過疎地には未来がない」のではなく、東京の超高密度を善とする日本にこそ未来がないのだ。
(6月2日の毎日新聞 朝刊「時代の風」より抜粋)

リア
リア

日本の都道府県単位と海外の国単位の可住地面積1平方キロメートルあたりの人口を横並びに比べてエエんか?と思わんでもないけど、たしかにおもろいな
特に、日本では過疎が進んでいると見なされている鳥取県や高知県の人口密度が、世界第4位のインドや5位で欧州トップのオランダの600人(/可住地1平方キロメートル)前後と同水準やとは、知らんかったわ
じゃ、6月までQが住んでた神戸や、移住した長崎の人口密度はどないなん?

aizen-Q
aizen-Q

それを整理してたのが、以前の投稿で掲載した次の表さね
この表で、移住する前に住んでいた神戸市灘区と移住した長崎県の主だった5市の人口密度ば確認したとさね
藻谷氏の論考に記載してある可住地1平方キロメートルあたりの人口は、右から2列目に記載しとるけん、そこば見てね

リア
リア

おー、藻谷氏の6月の論考に「この数字が1万人に迫る東京都は、世界に冠たる超高密度人口集積地だ」って書いてあるけど、神戸市灘区は1万人を超えとるやんか
ほいで、同じ藻谷さんの論考に「日本のこの数字は1000人超で、都市国家や島しょ国家を除いた国の中では、バングラデシュ、韓国に次いで世界3位だ」って書いてあるから、1,000人を超えている長崎市、大村市、佐世保市は、少なくとも、世界3位以上の国の人口密度と同じレベルなんや
なるほどやな
日本の主だった地方都市の人口密度でさえ、世界の国単位の可住地1平方キロメートルあたりの人口密度と比較したら、かなり高密度の地域なんやね

aizen-Q
aizen-Q

同じ人口密度のデータを読むとでもさ、前回の投稿みたいに神戸市灘区と長崎県下の5市を比べんで、海外の国の人口密度と比べてみると、なんか別の面白さがあるとやもんね
日本の地方都市の人口密度がこれからさらに低下するって言ってもさ、他の国と比べて、著しく低密度になるってことじゃないとやけん、「過疎化」とか「高齢化」っていう言葉でまとめてしまって考えるのを止めずに、視野を広げて、いろんな可能性を探索したら何か面白かごと感じられてくるとやもんね

リア
リア

なるほどね
今回は日本の地方都市と海外の国の人口密度を比較して、「地方の人口密度のいい感じさ」を考えてみたけど、まだ他にもQが面白いって思ってることがあるん?

aizen-Q
aizen-Q

今回は、比較する空間ば広げて考えてみたっさね
そいけん、次回は、比較する時間ば広げて考えてみたいって思ってるばい

リア
リア

うーん

だんだん、Qが面白いって思っていることを、自分も面白く感じ始めてて、まずい気がするんやけど
その上、よう分からんことを言い始めてるし…
まっ、面白ければエエから、次回、よろしく頼むわ

プロフィール
藹然として移住に挑戦中

これまでの経験+新しい学びで地方都市 長崎への移住と不動産業の開業を目指しています。私が長崎での住まいや仕事を検討するために確認したデータや考え方、実際に移住する中で得た知見や経験を掲載します。同じ長崎や地方都市への移住を考えている方のお役に立ったり、情報交換ができると嬉しいです。

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