今年2024年6月に神戸から長崎へUターン移住して半年が経ちました。
この機会に、長崎への移住後の経過と移住後に知ったこと、それに今後の展望を整理しています。
前回【Part1】の投稿では、長崎市のサイトで目が留まった移住者からの水道料金に対する意見を通して考えたことから長崎への移住後に知ったこと①を綴っていた途中でした。
では、前回【Part1】の続きをどうぞ。
長崎への移住後に知ったこと①:水道料金から考えた移住者の視点(続き)

国土交通省が公表した「水道カルテ」から、長崎市の水道料金が他の都市に比べて高いんかどうかを確認したって話やったよな

そうそう
長崎市と神戸市、それに九州の他の7つの県庁所在地の水道料金ば「水道カルテ」をもとにして比較したとが下の表さね


おー、ほんまやな
長崎市の水道料金は神戸市や九州の他の県庁所在地に比べて高いんやな
Qが長崎に移住する前に住んでた神戸市の水道料金は長崎市の約6割やもんな

そうとさね
その上で、2020年に長崎市に移住した人が長崎市に寄せた意見をあらためて見たら「収入とのバランスが悪く、住みにくいです」って書いてあるとさ
去年長崎市に引っ越して来ましたが、他県に比べ国民健康保険と水道代が高い。ついでに家賃も高い。なぜ高いのでしょうか。収入とのバランスが悪く、住みにくいです。
(長崎市のサイト「長崎市へのご意見・ご提案等の紹介」より)

せやな
長崎市で得られる収入は他の都市に比べて多くないにもかかわらず、水道料金は高くて住みにくいですって言ってるんやろうな

そう読み取れるとさね
だけん、長崎市で得られる収入が他の都市に比べて多くないのかどうかを調べてみたとさ
ただ、適当な統計データを見つけきれんかったけん、AI検索エンジン「Genspark」を使って得られた各都市の平均所得金額と最低賃金の値をまとめたのが、下の表さね


この黄色のデータやと、たしかに「平均所得金額」は長崎市が他の都市に比べて低いんやな
神戸市は長崎市の156%で、福岡市は109%なんや
せやけど、青色のデータの「最低賃金」を見たら、長崎市は神戸市と福岡市以外の他の九州の県庁所在地とそう変わらんな

そうとさね
だけんね、この長崎市に意見を寄せた移住者に対応するには、まず「長崎市とどこの街を比べてるとかな?」って考えることが大事じゃなかかなって思うとさ
たしかに、長崎市からの回答は「正しい回答」ばってん、それは長崎市に以前から住んでる人に向けた回答として「正しい回答」たいね
一方で、この意見を寄せた移住者は、その人が移住前に過ごしてきた街と長崎市を比較して意見を寄せてるけん、そこには長崎と他の街を並べて見ている相対的な視点があると思うとさ

たしかにな
長崎に昔から住んでる人が「ココの水道料金は他の町に比べて高い」って感じることは稀やろうし、そもそも「高い」って感じても、それだけで水道料金の安い街へ引越しする人は少ないやろうしな

そうさね
たぶん、この意見を寄せた移住者は「正しい回答」を聞いて、長崎市と自分が移住前に住んでいた街を並べて見る相対的な視点を役所の人と共有した会話ができんで、寂しかったやろうなって思うとさね
「正しい回答」は他の多くの人に向けたもので、自分個人に対するものではない感じがしてさ

せやろうか
意外とQとは違って、丁寧で「正しい回答」に納得したかも知れへんやんか
まっ、役所の人から移住者に「移住前の〇〇市に比べたら、長崎市は坂の多かけんですね、夜景はきれかとですけど、水道代はこんだけ高かかとですもんねー」とか言うような会話があったら、双方、楽しめるかも知れへんけど、それは相手によるわな

そうさね
ただ、移住する前に知ることができてたら、良かったとやろうになって思うとさね
あと、「正しい回答」の中にも、気になるところがあるとさ
それが、ここの部分さね
上下水道局といたしましては、経費節減に努め、平成13年(2001年度)の料金改定以降、料金の値上げはしておりませんが、人口減少等の影響により、収益は減少傾向にあり、厳しい経営状況の中、収支のバランスを勘案しながら、料金体系を見定めています。
(長崎市のサイト「長崎市へのご意見・ご提案等の紹介」より水道料金に関する回答を抜粋)

経費節減に努めてて、2001年度から料金を値上げしていないってことやから、言うことないやんか

そうたいね
ただね、気になるのは「水道カルテ」に記載してある長崎市の水道施設の耐震化率の低ささね
下の表の通り、長崎市以外にも耐震化率が低い他の県庁所在地はあるとけど、もし水道料金を上げることが難しいけんが耐震化率が低いってことやったら、これから、人口が減少する中で水道施設を維持しつつ耐震化を図るのはなかなかハードルが高かろうなって思うとさね


ほんまやな
今年の元日におきた能登半島地震から1年たったけど、まだ水道が復旧していない被災地があるって報道されてるもんな

「水道カルテ」で、今年元日の地震と9月の能登豪雨で大きな被害を受けた石川県珠洲市の耐震率を調べてみたとさ
そしたら、2022年度の基幹管路の耐震適合率が37%で、浄水施設と配水池の耐震化率がそれぞれ37%と33%で長崎市よりも基幹管路の耐震適合率が大分低かったことが分かるとさね
ちなみに、石川県珠洲市の水道料金は5,423円で、長崎市の1.2倍やったよ

なるほどな
過疎地で先に明らかになっている問題を地方都市が後から追いかけてる感じやな

長崎市のサイトには「長崎市上下水道事業マスタープラン2025」っていう2025年度~2034年度の上下水道の施策の素案が公表されてるとさね
これば見たら、長崎市がこれから先の人口減少をどう見通していて、どう対応しようとしているのかが、水道施設を維持するための施策から分かるなぁって思うとさね

たしかに、水がないと人も街も生きていかれへんもんな
じゃ、ここから先は水道料金とは別の視点から移住後に知ったことを聞かせてもらおうかな
この続きは【Part3】でな
コメント