長崎への移住を決めるまでの1年間の歩みの整理

風景+叙景・雑感

今月、6月末に神戸市から長崎市へ移住することにしました。
現時点で、「ながさき」から何らかのお招きがある訳でも、今後の足がかりがある訳でもありません。
ただ、自分と同じように長崎や地方都市への移住を検討している方をサポートすることを念頭に置いた不動産業を来春、長崎で開業したいと考え、このタイミングで移住することにしました。
今回の投稿では、来週末の長崎への引越し準備の手を休めて、長崎への移住を決めるに至った、この1年間の歩みを整理しておきたいと思います。
なぜなら、いま整理しておくことで、将来、自分がどのような過程を歩んだ結果、長崎への移住を決めたのかを振り返ることが出来るのではないかと思うからです。
また、その中に、私と同じように長崎や地方都市への移住を検討している方(これから検討する方も含めて)にとって、なにかお役に立てるものがあればいいなと思っています。
以下は対話形式とし、できるだけ時系列で10項目に整理してみます。

前半(2023年6月~12月)の歩み

リア
リア

長崎への移住を決めたらしいやんか。
まず最初に、なにから始めたんやったっけ?

Aizen-Q
Aizen-Q

昨年6月に会社を辞めることを決めた時、情報収集のために、大阪の梅田にある「長崎県大阪事務所」を訪ねたとさね。
そこで、8月に梅田で開催される「長崎UIターン転職個別相談会」を教えてもらって参加。
その流れで、8月に長崎に帰省した時に「長崎友輪家」のイベントに参加。
そして再び、9月に梅田で開催された「長崎暮らし相談会 in大阪」に参加したっさね。

リア
リア

いろいろ参加したんやね。
ほいで、なんか得るもんはあったん?

Aizen-Q
Aizen-Q

まず最初の「長崎UIターン転職個別相談会」では、相談員の人に「あなたの不動産業のキャリアを生かす仕事は残念ながら今の長崎にはありませんよ、福岡で探した方がいいですよ」って親切に言われたっさね。
ばってん、8月に参加した「長崎友輪家」のイベントで、そこで初めて会った「来年、五島で水産加工業の会社を起業する予定」って話していた方から「起業に興味があるなら『長崎県よろず支援拠点』に相談するといいですよ」っていう情報をもらったんよね。
そいで、9月に参加した「長崎暮らし相談会 in大阪」では、会場に設けてあった複数のブースのうち、元々はまったく立ち寄るつもりのなかった「長崎県宅地建物取引業協会」のブースに話の流れで行くことになって、そこで、同業のよしみからか、長崎の空家対策とか、長崎の不動産事情について色々と話を聞かせてもらって、それが結構、面白かったとやもんね。

リア
リア

なるほどね、犬も歩けば棒に当たる的な話やな。
ほいで、2つ目には、どんな動きをしたんやったっけ?

Aizen-Q
Aizen-Q

1つ目の動きと同じ時期に、もう一つ、動いていたのが、第三者事業承継やね。
これは、ちまたで言われている「中小企業の後継者が不足している問題」を解決することを目指した動きで、以前から関心があったけん「長崎県事業承継・引継ぎ支援センター」に登録して、自分のこれまでの経験を生かすことができるような事業承継の案件が出るのを待つことにしたんよね。

リア
リア

そうやったね。
そっちは、どうやったの?

Aizen-Q
Aizen-Q

結果的には、長崎県内に第三者事業承継の案件があるのか、ないのかさえ、分からんかったね。
今では、自分のキャリアを生かせるような案件は長崎になかったんかなぁと思っているけどね。
ただ、同時期に神戸市の第三者事業承継のマッチングを行っている「100年経営支援事業」と兵庫県の第三者事業承継のマッチングを行っている「兵庫県事業承継-引継ぎ支援センター」にも登録して適当な案件がないか探索する中で、結果的に第三者事業承継とM&Aの世界がつながっていることを学ぶことができたなぁと今は思ってるとさね。
ということで、この時期はまだ、長崎への移住は選択肢の一つ、って感じやったとさ。

リア
リア

うーん、たしかに、そうやったね。
会社を辞めて、転職エージェントのお世話になって次の転職先を見つけるのとは違う道を模索してたんやもんね。
じゃ、3つ目はどんな動きをしたんだっけ?

Aizen-Q
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10月末に長崎に一人帰省して、長崎市内を歩き回ったっさね。
この時期は特に長崎県、とりわけ坂の街として知られる長崎市内の空き家問題に自分の関心が向いてて、その状況を実際に自分の目で見て、歩いて、体感したかったんよね。
それで、長崎市役所を訪ねて行って「斜面市街地再生事業」の話を聞かせてもらったり、実際に「稲佐・朝日地区」や「南山手地区」、「立山地区」、「上小島」の辺りを歩いて見て回ったとさね。
ただ、実際に歩いて回って、自分の体に残った印象としては、長崎市の空き家問題の厳しさ以上に、「長崎の街ってコンパクトなんやな」ってことの方が大きかった気がするとさね。
あと、その帰省した時に「ながさき移住ウェルカムプラザ」に紹介してもらって訪ねた、コロナ禍になる前に長崎へ移住された方が営業されている「Cafe+G 燈家」っていうCafeで店主ご夫婦から聞かせてもらった話がよかったっさね。
特に、そのCafeを営業されている家(場所)をそこに決めたのは、「その家の所有者の方から聞いた、その家にまつわる思い出(ヒストリー)に惹かれたから」っていうような話が、なんかとてもよかったんよね。

リア
リア

うーん、たしかにそれは、いかにもQが好きそうな話やな。
ほいで、4つ目は、どんな動きをしたん?

Aizen-Q
Aizen-Q

11月に入って、8月に帰省した時に知った「長崎県よろず支援拠点」に連絡したっさね。
そいで、複数人いる相談員の方の中から「新規事業」や「新商品開発」を専門とされている相談員の方との面談をお願いして、それからほぼ毎週1回、今月初旬まで、その相談員の方にオンライン面談ばしてもらっととさ。

リア
リア

初対面の相談員の人と、最初からオンラインで面談って、コロナ禍で在宅勤務だった時の経験が遺憾なく生かされてる感じやな。
ほいで、その相談員の人とのオンライン面談はどうやったん?

Aizen-Q
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それが、よかったっさね。
なにが良かったかってさ、1週間に1回、オンラインで面談をするためには、前回の面談内容を踏まえて、次の面談の前日には打ち合わせ資料ば作って送信せんばいけんけんさ、それまでに自分の考えやデータをまとめる必要があるってことで、その「期限がある」ってことが、自分にとってはよかったって思うとさね。

リア
リア

たしかにね。
自分一人で期限もなく考えてたら、キリがないもんね。
んじゃ、5つ目は、どんな動きをしたん?

Aizen-Q
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12月初旬に、このオンライン面談をしてもらっている「長崎県よろず支援拠点」の相談員の方から、長崎県内のスタートアップ支援を目指す「ミライ企業Nagasaki推進事業」っていうイベントがあることを教えてもらったっさね。
たしか、締め切りまで2週間位しかなかったとけど、「スタートアップの企業を目指す人や起業したばかりの人を対象とするビジネスアイデア構築支援を目指すチャレンジ部門」に挑戦することにして、所定のエントリーシートを何とか作成して、12月上旬に提出したっさね。
それで、12月末に「予備審査の通過はなりませんでした」っていう連絡があって、この挑戦は終わったんよね。
ただ、この時点では自分がこれまでに経験してきた不動産業とはほぼ関係のない「ソフトサービスの便利屋」的な事業を立ち上げることを考え続けてたから、その方向に進むのは難しいってことを納得できる機会になったって思うね。

後半(2024年1月~6月)の歩み

リア
リア

見事にビジネスアイデアのコンペに落選して、ようやく正気に戻って年を越したってことやね。
じゃ、年が明けて6つ目は、どんな動きをしたん?

Aizen-Q
Aizen-Q

年が明けてからも「よろず支援拠点」の相談員の方との週1回のオンライン面談は続いてて、たしか2月に入った頃、「自分と同じように長崎への移住を検討している方の役に立つことを念頭に置いた不動産業を開業することを目指したい」ってことを考え始めたとさね。
それまでの半年間、「自分がやりたいこと」と「自分にできること」、それに「世の中の役に立てること」(食えることを含む)の3つを満たすものを探し求めてたんやけど、なかなか見つけることができずにいたのが、この方向なら、どうにかなりそうかなって思える感じがしたっさね。

リア
リア

Qのこれまでの経験を踏まえたら、そこから考え始めるしかないやろって感じやけど、まっ、機が熟すのに必要な時間やったってことなんかな。
じゃ、そこから、長崎への移住に向けて、7つ目の動きを取ったんやね。

Aizen-Q
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そうなんよね。

まず、長崎市内の引越し先を複数の不動産仲介サイトで探索して、そこからエリアや賃料が希望に近い物件を幾つか抽出して、不動産仲介サイトから内覧希望を伝えたら、物件ごとに不動産会社から連絡が届いて、内覧日ば設定したっさね。
それと同時に、複数の引越し屋さんに見積もりを依頼して、長崎へ移住するにあたって必要になる費用と長崎での生活で必要になる居住費とかば確認していったとさね。

リア
リア

4月に入ってから、次々といろんなことに対応していったんやったね。
その中でも特に何が大切だったと思うん?

Aizen-Q
Aizen-Q

移住することを決める上でもっとも大切で、もっとも難しいのは、家族の中での合意形成じゃないかなって思うとさね。
これは、家族ごとに異なる条件の下での合意形成になるけん、マニュアル的にこうすればいいっていうものではないと思うし、会社組織みたいに職制に基づいて効率的に決めることができるものでもないし、かと言って、定量的な確認や判断もないと、現実的な判断に至ることは難しいけん、移住についての合意形成に向けた家族の中での議論は、とても大切やし、これからの人生を考える上でも大事なことだと思うようになったとさね。

リア
リア

なるほどね。
実際に移住することを考えるとなると、「自分の考え」だけじゃなくて「自分たちの考え」っていう2つの考えが大事なんやね。
じゃ、8つ目は、どんな動きをしたん?

Aizen-Q
Aizen-Q

昨年9月に梅田で催された「長崎暮らし相談会 in大阪」に参加して、そこで「長崎県宅地建物取引業協会」の方から話を聞かせてもらったって件、覚えてる?

リア
リア

ああ、去年の一つ目の歩みで、元々は立ち寄るつもりのなかったブースで色々と興味深い話を聞かせてもらったって件ね。

Aizen-Q
Aizen-Q

そうそう、その興味深い話を聞かせてもらった方から、4月末に「今朝の新聞に『諫早市が移住コーディネーターを1名募集している』っていう記事が載っていますよ」、「あなたがしたいと思っていることに近いのでは?」っていうお知らせをもらったとさね。
それで、その募集要項を確認したら、今の自分に不足している長崎県の県央の知見を得られる業務内容だったけん、今回も締め切りまで2週間位しかなかったとけど、なんとか応募用紙を作成して、実際に応募したら「書類選考は合格しました」っていう連絡があったけん、それで、5月下旬に諫早市役所で面接試験を受けて、そしたら5月末に「不合格」っていう連絡があったっさね。
結果は不合格やったけど、長崎市以外の長崎県の市町について調べたり、新幹線が開通して新しくなった諫早駅で降りて、諫早市役所の周辺を歩いたりして、こんな機会じゃないと出来んような経験が得られたけん、よかったとやもんね。

リア
リア

元々、立ち寄るつもりのなかった相談会のブースで、たまたま興味深い話をしてくれた方から、神戸に居たままだと知ることが難しい貴重な情報を教えてもらえて、よかったやんか。
じゃ、9つ目の動きとして、移住に当たっての公的な補助で何か使ったものはあるん?

Aizen-Q
Aizen-Q

長崎へ移住するにあたって利用した公的な補助は「長崎市レンタカー貸出サポート」だけやね。

これは、事前に「ながさき移住ウェルカムプラザ」に連絡をとって、「レンタカー貸出サポート利用申込書兼誓約書」に所定の事項を記載してメールで送信して、内容に問題がなければ、長崎市内の生活環境を視察する際のレンタカーを無料で利用できる(最大3回)っていう移住支援策なんよね。
長崎市への移住を検討していて、移住前に長崎市内を見て回りたい人にとっては有用なサポートやと思うし、「ながさき移住ウェルカムプラザ」の人と言葉を交わす機会が得られるってことも、よかとやもんね。

リア
リア

じゃ、最後に。
10番目として、この1年間を通しての歩みって何かあるん?

Aizen-Q
Aizen-Q

それはね、会社を辞めるまで忙しくて、疎かになっていた合気道の稽古に通い続けたことやね。
2015年に入門した神戸市にある凱風館で、師匠の内田樹師範のご指導のもと、合気道の稽古に励むことが出来たおかげで、体調は完全にもとの状態に戻ったし、なによりも、先を見出せない中で、自分の頭の中で勝手に生み出される様々な不安を、体を使った合気道の稽古を通して払しょくできたことは、本当にありがたかったけんね。
長崎に移住した後も、これまでに凱風館で学んだ合気道を続けていきたいなぁと思ってるけど、合気道の稽古を一人で続けるのは難しいけん、内田樹先生や凱風館に興味を持っている、長崎に住んでいる人と会えたらいいんやけどね。

リア
リア

そうやね、長崎で合気道を続けられたらええね。
長崎に移住したら、まずは生活環境を整えながら、不動産業の開業に向けた準備や合気道を続けるために動いたり、やらないといけないことが色々あるね。

Aizen-Q
Aizen-Q

来春、自分と同じように長崎や地方都市への移住を検討している人の役に立てるような不動産業を長崎で開業することを目指してるけど、そのための決まったやり方はないけん、手探りで進んで行くしかないっさね。
ちょうど、2015年に合気道を始めるために凱風館に入門したときも、今とまったく同じような状況やったけん、その時のことば思い出して、分からんことがあれば、正直に「教えてください」って言える勇気をもって一歩一歩、進んでいこうと思ってるばい。

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